香豆火珈琲 (Kaz - Feel - Coffee) - 引越し済


KAZUHICOFFEEは 2021/11/11に開業いたしました。 屋号はそのままKAZUHICOFFEEです。

新HP: https://kazuhicoffeelab.com/
旧HP: http://www.kazuhicoffee.com/
Base: https://kazuhicoffee.thebase.in/

今はまだ珈琲豆のネット販売と時折行う焙煎教室だけですが、これから珈琲の家庭焙煎や小型焙煎機のコンサルティング業という分野を開拓したいと考えております。まずは発明工房さんの「煎り上手」や安価な小型ドラム型焙煎機などにちょっとした装置をつけて、焙煎プロファイルがリアルタイムに見えるようにすることで、短期間で焙煎の技術を学んだり、既に焙煎を開始されている方の技術が上達するようなプログラムを用意したいと考えております。これからまだまだやること山積ですが、まずは出発致しましたことお知らせ致します。 珈琲が仄かに好きという皆様が、もっともっと本物の珈琲のことを知って楽しんで頂けるようにすることが次の自分のミッションだと考えております。家庭用サイズの小型焙煎機を海外から輸入して販売する等も計画しております。皆さまが美味しい珈琲をいつでも気軽に楽しめるようにすることを全身全霊でサポートしたい!!

抽出メソッド

RDC ハンドドリップセミナー初級

ごく最近、マニアックなコーヒー・ブログで有名なファナティック三神さんの店が近くにあることを知り、昨日そこのハンドドリップセミナー(初級編)に参加してきた。店名はRoast Design Coffeeといい、新百合ヶ丘駅から徒歩5分ほどの雰囲気の良い飲食店などが複数入居するビルの一角にある。店内は縦に長く間口は広くないため、セミナーの定員はMAXで4名である。
RDCハンドドリップセミナー(RDC店頭)

1時間ほどのセミナーは、ブルンジの浅煎り豆(KIBINGO, フリーウォッシュト)を使って、抽出に影響する要素のうちの以下の2点を変えて、味がどう変わるかを確認するものであった。

・粉の量 (いわゆる CBR: Coffee Brew Ratio)
・粉のメッシュ (細挽き、中細挽き、粗挽きの3段階)

RDCハンドドリップセミナー1

三神氏は飾らない語り口で客観的な説明の仕方をされるため、とても分かり易い。

1つめの実験は、CBR=14と15でどう味が変わるか、であった。具体的には、同じ30gの珈琲粉に対して、一方はお湯を420cc、他方は450cc注ぐ。抽出方法は Hario V60で3回の均等注湯であった。

通常は、粉の比率が高いCBR14の方が収率(抽出率)が低くなるそうであるが、今回はお湯の注ぎ方の問題か、CBR15の方が高い収率となった。

2つ目の実験は、CBRは同じで、メッシュだけを変えるもの。当然、メッシュが細かい方が濃く抽出される。ちゃんと濃度計を使って数値的な部分も見せてくれるため、納得感が大きい。
RDCハンドドリップセミナー(ブルンジ粉)
<これはお店で出しているコーヒーと同じ中細挽き>

細かい説明は割愛するが、総括すると以下のようになる。

・抽出率と濃度は別であり、少ない粉で抽出率を上げて濃く出来るがエグ味が出やすい。
・挽目で味の配分が変わるが、まず濃度を考えて、次に味の配分を考えるとシンプル
・他のセットアップとの関係もあるので、抽出方法だけ取り出しても意味がない。


ご興味のあられる方は是非参加してご自分で結果を確認して頂きたい。1時間とは思えない充実度で、お土産の珈琲豆100g付きで3000円と、かなり良心的な価格設定である。
RDCハンドドリップセミナー(お土産)

ペーパードリップ抽出についての考察

デイリーな珈琲の抽出方法としては、後片付けの簡便さから最終的に大半の人が、ペーパードリップに落ち着くだろう。但し、ペーパードリップといっても、ドリッパーの形状、ペーパーの種類、そして抽出法には様々な手法がある。しかし結局、抽出の目標は以下の2点に集約される。

①焙煎豆が含む成分をバランスよく取り出すこと
②安定して同じ味が再現できること

教科書的には大きく透過法(濾過法)と浸漬法に分けられるが、完全な浸漬法はあったとしても、完全な透過法というのは物理的に困難である。敢えて言えば点滴抽出がこれに相当するが、湯溜まりが一切できないように、最初から最後まで点滴だけで一杯分を抽出するためには大変な根気がいる。この場合、たいていは濃く少量を淹れてデミタスで飲むか、それにお湯を足して濃度調整するか、となる。ちなみに、後者の薄める方法は日本ハンドドリップ協会が推奨しており、全体の1/3量をドリップ抽出した後に、2/3はお湯で薄めなさい、と勧めている。この手法では特に深煎りでは明確にスッキリした味わいになるが、抽出率が下がるため同じ粉の量では薄く感じることが多い。

それはさておき、少なくともペーパードリップ=透過法というのは正しくなく、ペーパードリップを使えば、浸漬法と透過法の比率を色々変えれるよ、というのが事実だろう。
例えば極端に浸漬法に振ったのが、クレバーやHARIOのスイッチであり、方式的には全くの浸漬法であるが、フレンチプレスのような後片付けの面倒くささを解決している。

さて、今回の主題は抽出メソッドである。自分がやってきた以下の5つのメソッドについて自分なりに考察してみたい。なお、実際のコーヒーの味わいは、メッシュ(挽目)や湯温、濃度、そして水の品質(PH)で大きく変わり、むしろこちらの方が影響は大きいと思うが、キリがないので今回は割愛している。

(1)伝統的な抽出方法
10年くらい前までは、ほとんどの本に押しなべて書かれていた方法である。要約するとこんな感じか。

- 平らにセットした珈琲粉に全体を湿らせる程度にお湯を注いで20-30秒蒸らしてドームを作る
- 最初は小さな「の」の字を描きながら、なるべく細くお湯を注いで抽出していく
- 粉を暴れさせたり珈琲粉の層を崩さないように、かつ膨らんだ粉の状態を保ちながら、だんだんと「の」の字を大きく注いでいき、目標量に達したらお湯を残したまま素早くドリッパーを外し、上に浮いているアクを入れないようにする。粉の状態がよいと、2段、3段ロケットのように、お湯を注ぐ度により新たなコーヒードームがより高く盛り上がるのが実に気持ち良い。
伝統的な抽出方法

(2)ALLPRESSのやり方
エスプレッソで有名なのALLPRESSである。ここの手法は有名ではないかもしれないが、展示会で試飲した珈琲が美味しく、頂いたカードに書かれていた方法が明快だったため、取り入れてみた。
- 挽いた豆の倍量のお湯を注いで30秒蒸らす。
- 残りのお湯を中心に向かって注ぎ、蒸らす工程を含め、2分45秒ですべてのお湯を注ぎ終える

うーむ、実に簡潔でよい。覚えやすい。(^^;
ALLPRESSメソッド

https://hidenori-izaki.com/

NHKの逆転人生で一躍有名になった井崎氏の手法は、従来の方法から見ると完全に逆を行くもので、以下の特徴がある。

- 蒸らしに使うお湯はタップリめ(全体の20%)
- 途中でドリッパーをグルグル回す
- コーヒー粉の層は崩し続ける。ペーパーにもお湯をしっかりかける!

なお、類似方法として、ドリッパーをグルグル回す代わりに、抽出中の粉をスプーンなどで掻き混ぜる方法もあるが、この方法は最初、確かオーストラリアの抽出世界チャンピオンがやったんだったかな。

粕谷メソッド

これは最近僕がしばしば使う方法である。狙った味を安定して出す、という意味では秀逸な方法である。デメリットとしては、抽出時間が長い分、過抽出気味になり、くどい味になったり、少しえぐみが出てしまうことがあることであるが、最良の状態の珈琲粉であれば、余すところなく成分を取り出す方法として素晴らしいと思う。ただし3分半は少し長い。

(5)堀口俊英氏の20ml-10秒リズム抽出法
堀口リズムメソッド

大御所の堀口氏の最新著作「THE STUDY OF COFFEE」に書かれている手法で、240mlを抽出するなら、毎回20mlのお湯を注いでいる時間も含めてずっと10秒間隔で注ぎ続けて、トータル15回、300mlを注ぐと、一杯分240mlの珈琲が出来上がる、というもので、ぶれる余地もなく機械的に抽出できるので初心者にも大変分かりやすい。

さて、この5つのメソッドを比較して共通部分と矛盾する部分を取り出して、特に特徴的な部分を黄色く色づけしてみた。うーむ、うーむ。なんだか何が正しいのか分からなくなる (^^;

抽出方法比較
機械的な手法で安定した抽出を目指す

これをもってしても分かるように、ペーパードリップだけ取っても、抽出方法に絶対はないことが分かる。結局、色んな手法を試しながら、一番心地よく継続できる自分のスタイルを見つけていくしかないのだろう。ちなみに僕は毎日5,6杯はペーパードリップするが、どの方式でもなく、焙煎度、粉の状態などから無意識に各手法を組み合わせたり、微調整しているように思う。

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閑話休題

珈琲焙煎を理解する際に、焙煎機の種類や特徴から入ると混乱するが、豆温度、RoR、最終的な排出温度と焙煎度で味は決まる、と共通的に考えると分かりやすい、というのが僕の持論であるが、抽出においても、お湯の温度、お湯と粉の接触時間、の2点で捉えたほうが結局は分かりやすい。これはJ.C.Q.A.コーヒーインストラクターの考え方である。

・コーヒー成分は水に溶け出しやすいもの、溶け出さしにくいものが複雑に含まれている
・各成分は、湯温により溶けやすさが異なる

この考え方であれば、粒度が細かいとどうなるか、湯温が高いとどうなるか、ゆっくり注ぐとどうなるか、など抽出メソッドに関係なく、なぜそうなるかが理解しやすい。






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