香豆火珈琲 (Kaz - Feel - Coffee) - 引越し済


KAZUHICOFFEEは 2021/11/11に開業いたしました。 屋号はそのままKAZUHICOFFEEです。

新HP: https://kazuhicoffeelab.com/
旧HP: http://www.kazuhicoffee.com/
Base: https://kazuhicoffee.thebase.in/

今はまだ珈琲豆のネット販売と時折行う焙煎教室だけですが、これから珈琲の家庭焙煎や小型焙煎機のコンサルティング業という分野を開拓したいと考えております。まずは発明工房さんの「煎り上手」や安価な小型ドラム型焙煎機などにちょっとした装置をつけて、焙煎プロファイルがリアルタイムに見えるようにすることで、短期間で焙煎の技術を学んだり、既に焙煎を開始されている方の技術が上達するようなプログラムを用意したいと考えております。これからまだまだやること山積ですが、まずは出発致しましたことお知らせ致します。 珈琲が仄かに好きという皆様が、もっともっと本物の珈琲のことを知って楽しんで頂けるようにすることが次の自分のミッションだと考えております。家庭用サイズの小型焙煎機を海外から輸入して販売する等も計画しております。皆さまが美味しい珈琲をいつでも気軽に楽しめるようにすることを全身全霊でサポートしたい!!

2021年11月

SCAJ2021参加レポート(焙煎機編)

KAZUHICOFFEEとしてはこれから様々な小型焙煎機について詳しくなっていきたい所存であるが、今回の展示で、特に焙煎容量1.0Kg以下の焙煎機に注目して見て回ったので、得られた情報からなどから考察を試みた。なお、騒々しい会場の中だったので、聞き間違いなどが含まれているがあるかもしれない点、ご容赦頂いたい。


焙煎量:100/200/400g の3段切り替え (投入量はアバウトでよい)

Behmor全体

米国ではGeneCafeと二分して人気のあるBehmorである。手網焙煎の次に進む焙煎機としては手頃な7万円ほどの価格設定で、電源も100V/1350Wと普通のトースターと変わらない点は大変魅力的である。米国の製品であるが、ネスプレッソマシンと同じ中国の工場で作ってコストダウンしているらしい。

まず、このサイズで400gもの焙煎できるのが嬉しい。直火型焙煎機で、熱源はハロゲンヒーター、遠赤外線を利用する。アフターバーナーもついて、よほど深煎りしない限りあまり煙りはでないそうなので、気軽に家庭焙煎をしたい人には打ってつけだろう。

焙煎モードはP1(高地産豆)~P5(低地産豆)の5種類のプリセットのみで、要するに火が入りにくい高地産の豆はゆっくり目に加熱し始めるらしい。色々な焙煎スタイルを楽しみたい向きには、ちょっと物足りないかもしれない。ただしPボタンをダブルクリックすることでマニュアルモードに切り替わり、ドラム回転速度は2段階、火力は5段階に切り替えることが出来るそうなので、多少のカスタマイズは可能そうである。

Behmor操作パネル

なお以前は焙煎ロガーのArtisanにつながるバージョンもあったが、こちらは価格が高くなり過ぎて売れず今はもうないらしい。

販売元のRoast Hutさんによると、6年間で700台ほど売ってきて、ヒーターの故障は皆無だそう。消耗部品は金網で出来ているドラム(6150円)くらい、というメンテナンス・フリーさも焙煎初心者には嬉しい。

Behmorバスケット
Behmorヒーター


Aillio Bullet R1 V2
(代理店: 株式会社ノーザン・コマーシャル)

焙煎量:350g-1Kg

BulletCharge

これが今回の調査の本命、海外の焙煎マニアに超人気の、台湾Aillio社のIH焙煎機である。デンマークデザインのその姿は、夜中にノソノソ歩き出してブーっとでも鳴きそうである。🐷
Bullet左側面

展示はノーザンさんのブースだけでなく、新製品コーナーにも置いてあったり、会場ではとても目立っていた。僕自身、以前に購入しかけたこともあり、今も検討しているので思い入れも深く、もっとも時間を割いて触らせて頂いた。ちなみに今すぐ注文してもデリバリーは来年3月以降とのこと。

まず初日にテスト焙煎させて頂いたが、このときはロガー(専用ソフトRoasTime)が繋がっておらず、投入温度が高過ぎたり、思いどおりの温度上昇が出来なかったりして、ちょっと芯が残った浅煎りになってしまった。翌日再挑戦をお願いしたら、気前よくOKしてくれたので、今度は Aillio社のWebサイトの推奨プロファイルを用意して、これをもとに焙煎したところ狙い通りの焙煎で美味しそうな仕上がりに。持ち帰った豆(恐らくコスタリカ)を翌日試飲してみたらとても美味しく、非の打ち所のない中浅煎りであった。
Bullet焙煎終了2
Bullet_Profile

最新モデルは、排出用フラップの前に飛び出しガードが付いて、最大バッチの焙煎でも冷却ザルに綺麗に落ちるようになった。またフラップにはロック機構付きがつき、片手で開けられないのは少し不便だが、代わりに半開き状態でロック出来るようになり、バッチ間でドラム内を手早く冷やしたいときには便利かもしれない。
Bulletドアロック機構

<良い点>
・単相200Vで1500Wという仕様はありがたい。家庭電源のブレーカーの配線を200Vに切り替えてもらうだけで使える。なお、会場のデモでは昇圧トランスを用いていた。
・専用ロガーは本体と双方向通信しており、火力、ドラム回転数、エアー量を本体でもロガーでも変更できるし、一度プロファイルを決めたら自動運転まで可能である。ただし、豆の排出だけは手で開ける必要があるので、完全自動というわけではない。
・焙煎豆のクーラーが取り外せるため、短時間間隔での連続焙煎が可能。
Bullet電源トランス(200V)


<気になった点>
・デモの時も再三、ロガーの接続が外れたりちょっとしたエラー表示が出たりしていたが、一般的な焙煎機に比べて電装品とソフトウェアに頼る部分が多く、信頼性には多少課題がありそうである。実際、FBグループの書き込みを見ていても、エラーの解決方法を求める投稿が多い。その点で、この焙煎機は使いこなしには多少苦労が伴うと思われる。技術情報の大半はFacebookグループなどで英語でやり取りされており、まさに焙煎マニア向けと言える。
Bullet_RoasTimeプロファイル

ノーザンさんの提示価格は本体39万5千円で、台湾から直輸入するよりは高いが、サポートの安心感を買うなら良い値段だと思う。国産の1Kg程度の焙煎機なら大抵100万円以上するので人気が出るのも当然であろう。

WExSUJI Mini Roaster 100
  (代理店: Yamato56合同会社, yamato56mandheling@gmail.com )

焙煎量:100g

SUJI_全体

写真のようにとても可愛らしいデザインの重さ5Kgのポータブルの直火ドラム型焙煎機で、LPGや都市ガスだけでなく、カセットボンベでも駆動できるところが画期的である。ただし実用的には、ボンベのガスが少なくなると火が消えてしまうので、複数のボンベを連結するガスステーションのような器具が必要となる。
SUJI_コンパクト
SUJI_温度計
SUJI_110V
SUJI_側面排気

内部に実装されている温度計は一つ、調整は火力でのみ、冷却も出来てチャフはちゃんと分離される。ただドラムの隙間が大きめのため、極小豆を投入すると隙間に嵌りこんで、モーターの安全装置が働いて止まってしまうそうである。こうなると分解して取り出す必要があるとか。

価格は約18万円と値頃感がであるが、現在は110V仕様のみで、100V仕様にして安規などをクリアさせる必要があるため、日本国内発売は未定とのことであった。

Stronghold S7X (代理店: 大一電化社 - やまのべ焙煎所)

焙煎量:150g-850g

S7X_全体
S7X_熱くない側面
<触っても熱くない側面>

韓国製のS7X焙煎機はちょっと焙煎機らしからぬ高級感のある形状で、先端的な試みが取り入れてある。基本的には熱風寄りの半熱風焙煎機のようで、熱源が、熱風に加えてハロゲンランプによる輻射熱とドラムヒーターを併用している。直火に近い焙煎、半熱風~熱風焙煎と熱の伝え方のモードを広く変化できることが最大の強みである。一方、調整パラメータの多さは、使いこなしの難しさと抱き合わせで、展示員がデモ焙煎してくれたイルガチェ・ウォッシュトの浅煎りは焙煎直後とはいえ、かなり芯残りした味であった。
S7X_焙煎中

大きさの割に最大バッチサイズで850gと小さめなのも少し物足りない気がするが、自動運転が得意なので、完成されたプロファイルさえ用意出来れば、同じ味わいの焙煎豆を次々と繰り返し作れるので、多品種の高級豆をコマメに少量焙煎ししたいといった用途には便利な焙煎機であろう。焙煎中はハロゲンランプに明るく照らされた珈琲豆が白く光って少し幻想的ですらある。焙煎音もかなり静かで、カフェの片隅などで焙煎するとオシャレかもしれない。
S7X_ハロゲンで光る珈琲豆

また、消煙装置も含んでいるので、店内や住宅街でも大きな工事なしで使えそうなところも有利な点である。ただし、単相220V/5800Wという大電力を用するため、日本で使うには大きなトランス(付属?)が必要で、これを焙煎機の横に置くためのスペースが必要となる。
S7X_焼き上がり
S7X_豆排出

<気になった点>
少し気になったのは、焙煎後は毎日700gの生豆を入れてクリーニングする必要がある、という説明である。恐らくその代わりに、定期的な分解掃除が不要、ということであろうが、700gの豆を廃棄するのはもったいない。同じ生豆を繰り返し使えるか質問してみたが、明確な回答は得られなかった。

予定価格は300万円程度で、実際はもう少し高くなる可能性もあると言っておられた。

PROBAT SAMPLE ROASTER (代理店: DKSHジャパン株式会社)

焙煎量:150-200g
Probat_Drum

SAMPLE ROASTERという名前を製品名として固有名詞化しようとしているところがプロバットが王者たる所以だろう。当然ながらとても頑丈そうな作りで、見た目もそこそこ大きいが、バッチサイズは150-200gとDiscovery焙煎機よりも小さい。ショップ焙煎なら、やはりPROBATINO(1Kg)の方が実用的だと思われる。熱源は基本的に電気であるが、LPG/都市ガス仕様もあるらしい。重さ32Kgは何とか一人でも運べるレベル。
Probatダンパー

伝統の半熱風焙煎機で、サンプルロースターだけあって焙煎中の調整箇所は少ない。基本は自動運転で。専用のモニタリング/ロギングソフトを使いレシピの保存と共有などが充実している。後部のダクト口にはダンパーが一応ついているが、例によって焙煎中は「触らない」ことが基本とのこと。冷却装置は別駆動で、冷却しながら次の焙煎を開始出来るなど、サンプルローストのニーズを完璧に満たしている。

Probatロガー2

仮にこれを家庭焙煎のような用途で使用したらどうか。価格は130万円ほどなので、オー
ディオなどの趣味に数百万円かけるような人であれば十分に射程圏内かもしれない。

CAFE ROSTO SMART700  (代理店: 有限会社センチュリーフレンド)

焙煎量: 700g
ROSTO_Smart700

こちらは実は販売者のセンチュリ・フレンドのオフィスが自宅から徒歩圏にあることが分かって、後日訪問して詳細を説明して頂こうと思い、会場では簡単にしか聞き取らなかった。最大の特徴は、熱源にハロゲンランプを使っていることで、いわば輻射熱焙煎機である。ドラムは普通に回転するのではなく順回転・逆回転とスウィングするそうである。実際には加熱には電熱コイルも併用していると書いてあるので、この方式はなんと呼んでよいのか。

焙煎中も前面パネルでタッチパネルでパラメータを操作できるが、基本は全自動モードで動かす。焙煎を色々試したい、勉強したい、という人にはあまり向いていないかもしれないが、電気だけで動作して、アフターバーナーもついて煙対策もされていることから、まさにショップローストには最適な一台かもしれない。
シリーズには、SMART1500などより大容量な焙煎機もある。

YOSANOロースター (販売: 京都 ヨサノロースター)

焙煎量:300g  (600gバージョンもある)
Yosano_Roaster

コンロに載せて使う手廻し焙煎機の高級版である。ユニオンや富士珈機の手廻しロースターは台座の軸受けをグリスアップしておかなければキーキーと軋み音が発生したりするが、YOSANOのロースターは台座側にもローラーがついており感動的に滑らかに回転する。
この感触は手廻しマニアには堪らないだろう。ドラムにはチタン製とステンレス製がありチタン製の方がずっと高いが、金属の質感を比べると特別感のあるチタン製が欲しくなる。
一番安い300gのステンレス製は66,000円と値頃感があるが、こちらはチタン製のように投入口の取り外しが出来ないため内部清掃ができないようである。僕が愛用してきたユニオンの手廻し(パンチング無)の場合、豆が焦げにくいように内側に金属の筒が入っており、外ドラムと筒の間に大量にチャフが溜まるため、分解しない限りちゃんと清掃出来ない。YOSANO製はこのような内部の筒はなさそうなので、チャフは本体を振るだけで素直に投入・排出口から出てきて問題ないのかもしれない。

五徳部分にも中央にセットしやすいように工夫があったり、オプションのドラム・カバー(16500円)が装着できたり、手廻し焙煎機としてはかなりゴージャスである。4万円ほど足すとさらにモーター駆動装置も買えるが、全部揃えると結構な価格になり、温度計などの計測器がないマニュアル焙煎機としては少々お高いか。ただ、手廻しの感触が堪らなく好き、焙煎中の音や匂いに頼った職人芸を極めたい人には最高の焙煎機の一つだと思われる。

KOGU 珈琲考具ロースター (販売: KOGU)

焙煎量:最大200g程度
KOGU手廻し焙煎器

燕三条生まれのこだわり回転式ロースター『KOGU 珈琲考具ロースター』という触れ込みでMAKUAKEのクラウドファンディングでデビューした焙煎器具である。
KOGU手廻し蓋開閉

大きさ、形状はアウベルクラフト焙煎器と類似しているが、こちらはカゴが金網ではなくパンチング・グリルなので、熱による変形にも強く長く使えそうである。またコンロに安定して置けるように五徳の形状にも工夫がみられる。五徳と本体の間に挟む金網は熱の拡散もするだろうが、 SIセンサー(自動消火)対策とのこと。アウベルクラフトより5000円ほど高いが、その価値は充分にありそうである。
KOGU手廻し五徳

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<番外編>

COFFEE TECH ZEF FZ-94 (代理店:ZEF Coffee Arts)

焙煎量: 100g - 2.4Kg
FZ94全体

イスラエル製のこの焙煎機は僕がカバーしたい範疇としては大き過ぎるが、展示では焙煎ロガーのArtisanが接続されていたので、つい立ち止まって話を聞いてみた。
Z94+Artisan

まず、100gから焙煎出来る、という点が魅力的である。熱源のバーナーは3本あり、それぞれON/OFFしたり火力調整したりできるそうで、これが広いバッチサイズをカバー出来る秘密なのだろう。タイプとしては直火焙煎機とのこと。
FZ94トリプルヒーター

消煙装置部分を除くと150万円(送料30万円)ほどで買えるそうであるが、これが会場特価(半額)の話なのか、通常価格なのかは確認しそびれてしまった。
あと確か、日本ではまだ販売は10台以下だが、台湾、香港、ドバイなどでは人気がある、と言われていたように思う。 
FZ94消煙装置


他に、お馴染みの京都のダイイチデンシさんのNOVOの展示デモもあったが、こちらは以前にも少しレポートしたと思うので割愛したい。従来のNOVO Mark-IIが容量1Kgまで5段階の焙煎度合いであったのに対して、α - Novoという1.5Kg、8段階焙煎のバージョンも用意されたそうである。
SCAJ_NOVO

以上、長いレポートを最後まで見て頂き、どうもありがとうございました。

SCAJ2021参加レポート (全般編)

今年は待ちに待ったSCAJ展示会が2年越しで開催された。開業仕立てのKAZUHICOFFEEとしては当然、全日参加してきたので「全般編」と「焙煎機編」に分けてご報告差し上げたい。

「全般(焙煎機以外)編」

会場は以前の国際展示場から青梅展示棟に変わり、東京テレポート駅の目の前がゲートと、アクセスは格段によくなった。また会場の形も見渡しやすい長方形で、方向音痴の僕にも位置が把握しやすい。
SCAJ入場の列

会場へは体温測定をしてから入場し、登録手続きをすると「体温測定済」のシールをくれるので、自分の職業カテゴリにあったホルダーを選んでシールを貼って入場する。会場は程よい込み具合で大変歩きやすかった。前回の2019年は一気に中国色(雲南コーヒーが一大スポンサーだった)を増していたのが少し気になったが、今回は海外勢はやはり減った感じで、2018年以前のバランスに戻った感がある。とにかく平和なムードが漂っており、会場ではコロナ禍のことなどすっかり忘れてしまっていた。

SCAJコロンビア試飲
<コロンビアブースの試飲コーヒー>

さて、SCAJの大きな楽しみの一つに、高級なコーヒーの試飲がそこかしこで出来ることがあるが、以前のゲイシャ種一辺倒の様相は鳴りを潜めて、今回は様々の産地の様々な精製方法のコーヒーが試せたことは大変勉強になった。流行りのアナエロビック(嫌気発酵)系の発酵コーヒーは、2年前は一つのブースで特殊なコーヒー扱いであったが、今回は当然いろんなブースで提供されていた。ちなみにアナエロ発酵がなぜ強烈なフレーバーを生むかだが、これは嫌気性を好むバクテリアが好気性のバクテリアと異なる、というよりは、密閉容器の発酵で内部圧力が高まり、香りが生豆にしっかり浸透する、ということらしい。このため、わざわざ一度取り除いたミューシレージを発酵時に再度添加したりする。フルッタメルカドンのようにフルーツ酵母とか加えるともう別カテゴリになるような気もする。

毎回前面に陣取って、お馴染みのロバさんマークで雰囲気を盛り上げるコロンビア・ブースでは、今回も日替わりで合計8地域のコーヒーを試飲させてくれた。正直、ウィラ、カウカ、クンディナマルカ以外は初めて聞いた産地名であった。アンケートに答えるともらえるお土産も日替わりで、下記のように段々小さくなっていった。
SCAJコロンビアブースお土産

もちろんコーヒー生豆の方もあちこちで展示販売していて、その地域や精製方法などのバラエティの広さ、広がりを見ることはとても勉強になった。よく見るとコロナ禍でないと思っていたカッピングイベントも多少はやっていて、僕が参加したのはスペシャルティ豆や珈琲器具で有名なDCS、雲南コーヒーを扱うMountain Mover、そして後述のボンタイン珈琲さんの3か所である。

SCAJ_DCS_EthiopiaAboreG1
DCSのこの珈琲は特に印象に残る非の打ち所のないフルーティーさだった。
SCAJ_RoastLebel


SCAJウニールさん
京都ウニールさんのブース

SCAJコーヒービレッジ
コーヒービレッジの様子

SCAJ_OgawaCoffee
天国のように香りのよい小川珈琲のパナマ・デボラ・ニルバーナ。いくらするのかな。

SCAJ_AmazingCoffee
<Amazing Coffee>
ChooChooブレンドというCoE豆を組み合わせたAmazingな内容のブレンドを試飲提供

SCAJ_ロブスタ・アナエロビック
珍品? ロブスタ種珈琲豆のアナエロビック豆

「珈琲ファナティック三神のトークショー」

初日は軽くブースを見回った後、以前から氏の興味深いブログが気になっていたファナティック三神氏のトークショーにまず出席した。
SCAJ_三神氏トーク


最初の話は、焙煎において、SCAカッピング方法を確立させたジョージハウエル(以下GH)式と、CoEを普及させたポール・ソンガー(以下PS)式の違いがどこから来たか、という考察で概要は以下である。

住んでいる場所の違いからくる焙煎スタイルの差。GH氏はマサチューセッツのアクトンでここは意外と湿度が高いこと。一方、PS氏の方はスポーツ選手の高地トレーニングで有名なコロラドのボールダーに住んでおり、ここの標高はコーヒー産地並みの1600m以上で、気圧が0.8気圧ほどで湿度も低い。

水は熱しにくく冷めにくい性質があることから、湿度が高いマサチューセッツでは豆温度が上がりにくく、いきなり火力を上げても豆の表面だけが焦げるので、最初は弱火で、水抜きフェーズが終わったら強火にして、1ハゼ後の発熱反応に入ってからは逆に熱暴走状態にならないように早めに火力を落とす、という手法が理にかなっている。

一方でボールダーは乾燥していて酸素濃度も低いため、そもそも火力が上がりにくいために十分に高い温度の予熱が重要になる。PS氏の主張する最適なボトム(中点温度/TP)は110℃だとかで、バッチサイズが焙煎機のキャパ一杯の場合などは焙煎機の温度計などが壊れてしまうほど高温にせねばならないなど非常に困難な命題である。ガンと熱を入れた後は、一定のテンションで出来るだけRoR一定でまっすぐに焙煎する、というのがPS氏の方式である。こちらもその地域の特性と合致している、というわけである。

話はさらに夏場・冬場の焙煎に展開して、夏冬の温度差による影響は高温で焙煎することを考えればさほど問題ではなく、むしろ夏場の湿度の方が問題である、という話であった。同じ条件であれば温度の上がりにくい夏の方が焙煎に時間がかかるので、三神氏は以下のような工夫をされているそうである。


・投入量を少なく
・ガス圧を上げる
・焙煎を若干浅めに切り上げることで重くなり過ぎないようにする

次は抽出の話で、氏の定義では「甘味、酸味、苦味、フレーバー、質感といったテイスト成分を水へ移動させること」となる。この場合、同時に移動するわけではなく、酸味、塩味が最初に、次に甘味、最後に苦味が抽出されるため、濃度を示すTDS(Total Dissolved Solution)や抽出率(Extraction Yield)の値が同じでも味わいは同じとは限らない。特にメッシュを細かくすると抽出率は上がるが、味も大きく変わってしまう。氏は酸味、甘み、苦味などのバランスや明確さを示す指標として、Definition of Flavor Structure (フレーバーの明確さ)という造語を挙げていた。またAtagoなどの濃度計は温度が低いとTDSが大きくなるなど、なかなか正確に測れるものではない。そもそもSCAの定める抽出のGolden Cup Standardが最適なのか、という問題定義もされていた。ちなみに氏の提供しているコーヒーはTDS/EYなどの値はチャート外(薄い)だそうである。
SCAA_brew_chart-847x1024

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<利き珈琲選手権参加>

2日目は午後一にSCAJコーヒーマイスター・アンバサダー就任式というイベントがあり、続けて開催の「利き珈琲選手権」に僕も出場することになっていたので、午前中はなるべくインパクトの強いコーヒーの試飲は控えて、なんとなく準備していた。
SCAJコーヒーマイスター・アンバサダー就任

初代コーヒーアンバサダーに就任したAMAZING COFFEEプロデュースのExile TETSUYA氏のスピーチを聞いた後はいよいよ利き珈琲選手権。出場は23人で一回戦は4種類のコーヒーをカッピングして産地と精製方法を選択肢から当てる、というもの。僕は2問正解して準決勝進出。次の問題はベトナム・ナチュラルかブラジル・ナチュラルかで迷って土壇場で後者を選んだらベトナムの方が正解で残念ながらここで敗退。残った2名が決勝を争う形であったが、決勝問題は僕の得意なエチオピア・ナチュラルだったので、もしかしたら自分が「2021年コーヒーマイスター利き珈琲王」になれたかも、という考えが少し過ったが、まぁ世の中そんなに甘くはないね(^^; でも可能であれば来年も出たいな。
SCAJ利き珈琲選手権準備中
SCAJ利き珈琲選手権一回戦
<利き珈琲選手権、第一問>


<コマンダンテ・チャレンジ参加>
ボンタイン珈琲のイベント。これは初日に通りかかったら楽しそうに見えたので、予約して最終日の朝一番に参加させてもらった。9種類のコーヒーをまずブラインドカッピングして、選んだ番号の豆を切れ味抜群のコマンダンテのミルでさらさらと挽いて、さらに好きな抽出方法を選んで実際にコーヒーを淹れる、というものであった。僕は味覚レンジの広いリッチなブレンドを作るべく浅煎り・深煎り・スパイシーの3種類(3,5,8番)を選んでブレンドして、エアロプレスのダブル・ペーパーフィルターで抽出してみたが、とても美味しく出来てちょっと嬉しかった。あとで種明かしの銘柄を確認したら、レッドハニー、アナエロビコ、ナチュラル精製という組み合わせであった。参加賞もコマンダンテの珈琲粉保存ビンと、コスタリカ・ゲイシャ豆他3つのスペシャルティ豆と、とても豪華で感動! ボンタイン珈琲さん、どうもありがとうございます(^.^)

SCAJ_コマンダンテ・チャレンジ


<その他、今回気になったもの>


豆を挽きながら風でチャフを飛ばして分離してくれるというアイデアもの。味わいが異なるように挽ける2種類のブレードがついて、一分間に700gも挽けるそうで、約50万円はそんなに高くないかも。いつか欲しいな。

2. ハンドミル

僕も使っているZpro/Q2のPlusmotionが今回は結構大きめのブースを出していて、日本仕様のフラッグシップモデル JPPROを盛んにデモしていた。Zproのヒヤッとした触り心地に対して、握ったときの木のぬくもりが気持ち良い。容量も35-40gに増えて実用性が向上している。ハンドルの形状はコマンダンテのものに似てきている。やはり三角形の形状の方がよいのか。

他には使いやすそうなカフラーノ社KRINDERや、KIGUVariaというとても高級感のあるミルもあった。あとドイツのZassenHausが各種ミルをデモ展示していて、以前ここのトルコミルを使ってた僕としては懐かしやと思っていたら、後で知ったのだが、ここの新製品Barista Proというミルはタイムモア社の製品と酷似しており揉めているらしい。そいう言えばいつもは目につくタイムモア製品の展示が今回は見当たらなかったような。
SCAJ_トルコ式ミル

3. 生豆のAIハンドピック (Rutilea)

機械学習で虫食いなどの欠点豆を自動で見つけようとするもの。まだ実用化には至っていないようであるが、日々ハンドピックに時間を割いている者にとっては面白い試みだと思った。

SCAJ_AI欠点豆除去

4.珈琲豆のサブスク (PostCoffee)

珈琲豆のサブスクで有名な米国Angel's Cupとよく似たビジネスモデルのPostCoffeeは、何が届くか分からないサブスクと異なり、展示会場では好きなものを3つ選んで同じ箱に入れたものを売っていた。


5. 高濃度アルカリ電解水 (株式会社コアベース - info@corebase.co.jp)

pH13.2の高濃度アルカリ電解水のスプレーをコーヒー粉にかけると、あっと言う間にコーヒーオイルが水に染み出す、というデモをやっていた。普通の洗剤ではなかなか落ちなくて困っていた焙煎機のコーヒー汚れが簡単に溶けて落ちる、らしい。しかも元が水なので拭き取らなくても無害、というのがミソ。個人的にはこれは耳寄り情報であった。ちなみにダイソーでお馴染みの激落ちくんスプレーは濃度は薄いが、ある程度は落ちるらしいので、こちらもやってみようと思う。

長々と書いてしまったが、珈琲業界の人だけでなく、珈琲好きにも楽しく大変勉強になる夢のような3日間である。来年も万難を排して参加したいが、いつかは自分も小さなブースを持ってみたいな、と遥かな夢を思ってみたりする。

JCQAコーヒーインストラクター1級 ~ 合格最低点 80/80 をクリアするために

やったぜ、コーヒーインストラクター1級合格! 

インストラクター1級合格

ということで!
同じ道を目指す方に多少なりともお役に立てればという気持ちでこの記事を書きます。
個別質問も歓迎です。

<全般の話>

教科書(4000円)自体は2級受験で入手しているはずなので、さほど厚くない一冊の中に2級・1級・鑑定士までの内容を含むことはご存じであろう。この教科書、初めて手にするとまず、これだけ? 簡単そう!と思うだろう。コーヒーマイスターの試験範囲の広さに比べて、まさに狭く深く、の世界である。1級の範囲は2級の2倍ほどの分量で約45ページであるが、当然2級も試験範囲に含まれるので実際の試験範囲は3倍で、各項目の理解の深さは2-3倍を求められるので、単純計算すると勉強量は2級の6-9倍である。2級はマークシートのみで、うろ覚えでも回答可能であるが、1級の問題は半数以上が記述式なので文章力も求められる。僕は記述に使いそうな用語の漢字をリストアップして直前に復習したりもした。(誤字は不正解となるらしい)

2級試験にも一応カッピングはあるが、こちらは確か1問だけでアラビカとロブスタ、みたいな一度飲めば誰でも判別可能なものであるが、1級は産地別、格付け別、欠点豆混入、それに生豆外見判別、そして混ざった2種類の豆の配合比率を当てる、といった問題が出る。ロブの見分けは簡単でも、ブラジル、グアテマラ・コロンビアを見分けるのは至難の業である。さすがにグアテマラ・コロンビアのMIXは出ないと思われるが、今回はブラジル・コロンビア(グアテマラかも?)の配合分析が出て、2:2, 1:3, 3:1のどれかを当てるというものが出て、試験後には結構自信があったのだが結局落としてしまった。ブラジルの配分量が明らかに少ないと思ったのであるが、もしかするとコロンビアとグアテマラの判別を間違えたのかもしれない。

<事前講習会>
JCQA事前講習会

この講習は必修とされるが、そもそもこれを受けずに実技試験に合格するのは相当困難であろう。

(1) 学科講習
・3人の講師が教科書を元に重要箇所をどんどんと説明していくが、盛り沢山な内容を早口で説明する講師もおり、集中して速記のようなメモを取らざるを得ない。このためにも、やはり事前に自分で教科書の内容を何度も読み返しておく必要がある。

・講義の中でも講師が強調するが、重要なことは、文字通り暗記するのではなく、なぜその方法なのか、などの理由が説明できるようにすることである。唯一、講師に直接質問が出来る機会なので、出来れば事前に質問を用意して臨みたい。


(2) 実技講習
JCQA-実技研修

・実技講習は想像以上に楽しく、これなしでは絶対に合格はできないと思われる。同じコロンビア・グアテマラといった国の豆でも、産地や焙煎方法で大きく味が異なるわけであるが、試験用はいわばその国の「標準米」のような検体を使っており、典型的な品質(欠点豆混入)、産地(恐らくミックス)、精製方法の豆を、ハンドピックせずに中煎りに仕上げてある。例えば同じブラジルでも、Type2, Type4/5という豆を見分けなければならない。繰り返しになるが、焙煎前の「欠点豆のハンドピックはしていない」のである。⇒ ★これがヒントになることも★

・講習で使う検体は毎回かなり残り、結果的に大量の検体をお土産に頂くことになる。これを冷凍庫に保存しておき、試験直前に集中してカッピング練習することになる。

JCQA検体お土産

・大半の人にとっての産地別カッピングの最難関は、グアテマラHBとコロンビアUGQの区別だと思う。実に似ているのである。僕の考えた見分け方は以下のとおり。

- ブレイクから3-5分の冷めたところで飲むと、コロンビアは気持ち酸味が強く、かつ酢酸のような単純な酸を感じるのに対して、グアテマラは微かに甘味があったり、後味に柑橘系の酸味を感じる瞬間がある。ただし5分以上経過すると、むしろグアテマラHBの方が酸味がきつく感じるようになり大変混乱する。よって、ガテ・コロ判断はブレイクからの最初の5分で行って、その後は迷わない(カッピングしない)ことをお勧めする。

- 焙煎豆自体はグアテマラの方が硬く締っており、粉にした時の色は微かに明るい。お湯を注ぐ前の粉の色や香りを集中して観察するとグアテマラの見当がつく可能性がある。自分でカッピング練習していたときは、水色(すいしょく)が他の検体に比べてオレンジがかって見える時があった。

あとは練習あるのみ。
合格のためには直前の集中カッピング練習は必須!

特に産地別カッピングを落とさないように、かなりみっちりやる必要がある。
検体のグアテマラHB, コロンビアUGQの区別はかなり困難であるが、出題率はかなり高いし、落とせない問題なので、僕はガテx3、コロx3の6検体を用意してカッピングで全部正解する練習まで行った。欠点豆混入の検出に関して言えば、ブラジルType2とブラジル欠点豆混入は、少し低地産特有の甘みが感じられるType.4/5との区別より難しい。恐らく Type2の豆に未成熟豆を後からパラパラと混入させているものと思われる。

JCQAカッピング練習1
JCQAカッピング練習1
JCQAカッピング練習2
JCQAカッピング(珈琲豆準備)
JCQAカッピング練習3

配合分析の練習? (実はカッピング準備中に複数の豆を床にバラまいてしまったついでに練習)
JCQA-配合分析練習

<試験本番>
(3) 学科試験
僕は窓際の席だったのでときおり外の景色を楽しんでいた。
京阪神会場(灘)のビルから望む景色は天気が良いと、六甲山系の山々を遠くに仰ぎ、なかなか気持ちが良い。
JCQA京阪神会場

試験の方は、筆記量が多く、丁寧に書いていると後半に時間が足りなくなって焦ることになるので、最初から頭をフル回転させてどんどん記述していくこと。僕は残り15分で思ったより記述問題が残っていることに気付き、最後は本当に夢中で記述回答していってギリギリで全問回答したが、前半の後で見直そうとしていた問題に戻る時間がなく、実際その問題を落としていたことに試験直後の確認で気付いてしまった。例えば、「安定したコーヒーの淹れ方について3つアドバイスをせよ」という問題では、条件に「同じ店から粉で買って」とか、「注ぎ方のルール以外に」とあり、注ぎ方のルールって、どこまで含むのよ、ととても悩ましい。このような設問自体に理解を要する問題が多々見られる。

出題されていた問題(記憶にあるもの)

- シェードツリーの役割
- ドリップで2倍量を淹れたときの濃さ
- プレミックスのメリット・デメリット
- ブレンドの定義 (生豆換算で30%以上~)
- 精選方式の説明(パルプドナチュラル、スマトラ)
- 5種類の選別の順番
- 粗選別で取り除くもの
- コーヒー飲料の定義
- エチオピア、ブラジルの中の産地の位置
- スクリーン選別のいで標高を使わない理由
- 欠点豆のみ、SHG等の格付けを使う国
- 特定銘柄
- 香気物質の前駆体3つ
- 包装方法のポイント3つ
- 比重の低い豆、商品価値の低い豆の定義
- 伝熱の種類3つ
- 種子以外の繁殖方法
- ドリップの味を安定させるためのアドバイス(最後の問題で難問だった)
- ベリーボーラー、さび病の説明

(4) 実技試験

・問題毎に検体を準備するので、全般にゆったりしており、各問題の時間もたっぷりあるので慌てる場面はない。ただし、冷めすぎると分かりにくくなるものもあり、時間は15分などと与えられても、最初の5分で判別を終えたい。特にロブスタが出たときは要注意。匂いだけでも判別できるので、少量を1回だけカッピングして、AP-1かWIBかを確認する程度で充分である。いつまでも雑味の多いコーヒーをカッピングしていたら舌が麻痺して次の検体の判別が難しくなる

・今回の出題は同一産地の格付け違いを判別する問題が2問。ロブスタ2種とブラジル2種だったかな。産地別は、最難関のガテ・コロ判別が出題されたが、粉の時からよく観察して、微かな柑橘フレーバーを感じたので自信を持って判別。もちろん正解だった。この問題を落とすと合格は厳しくなる。
・欠点豆はリオ臭が出た。これは講習会で経験しており、お湯をかけた瞬間の匂いでカッピングせずとも判別できる。漂白剤の匂いがすればリオ臭である。

・焙煎豆の外見だけで8種類の豆を当てる問題。選択肢はブラジル Type2, Type4/5, コロンビアUGQ, スプレモ、エチオピア、グアテマラHB, インドネシアロブスタ AP-1, WIBの8種類であった。まずロブスタ2つは匂いと形で容易に判別。クェーカー(薄い色の豆)が多い方が低い格付けのAP-1, 整っている方がWIB。ブラジル2種はまず形とセンターカットの色で判別して、小さい豆が多く色むらの多い方がType4/5とする。グアテマラは色が微かに薄く一番硬そうに見える。スクリーン選別がないので豆の大きさが不揃い。エチオピアは香りとセンターカットの茶色で判断。検体のものは豆の大小の差や欠点豆も多い。残りはコロンビアの2種だが、8種類の中で一番、大粒でハンサムなのがスプレモ、他方がUGQ。センターカットがS字にカーブしているものが混じっているとは限らないので、UGQとグアテマラHGとの判別は要注意である。コロンビアがコロっとしており、かつピーベリーの混入が多いのに対して、グアテマラは平たいイメージで皺が多く硬そうに見える。集中して観察すればそう見える。自分の直感を信じよう!

・配合分析は試験時間が一番長いが、まじめにやると意外と試験時間一杯かかる。1問めはロブスタとアラビカの区別で比較的容易。2問目はアラビカ同士であるが、こちらはかなり困難で、実際僕もこの問題は落としてしまった。

ご参考までに比較的紛らわしい検体の一部を写真に掲載する。

検体-グアテマラEPW
検体-グアテマラSHB
検体-コロンビアUGQ
検体-ブラジルNo5
検体-ブラジルNo2


付録:カッピングのコツ(KazuhiCoffee版)

・持参の水は多めに持ち込み、試験中には使わせてくれなくても中間の休憩時間に舌を休めるのに使ったり、試験スタッフが注いでくれる水が少なければ開始前に足して、カップになみなみと入れておく。

・カッピングスプーンをコーヒー液に漬けたら、水で洗う前に、吐き出しカップの中でよく振って水滴を落として、さらにキッチンペーパーの上で粉をよく叩き落としてから、洗うことで、限られた洗い水をなるべく汚さないように気を付ける。これ重要。カッピングの上手下手は、洗い水やキッチンペーパーの汚れ方で分かる、と心得よ!

・毎回安定して風味を感じるような啜り方をするのは難しい。そこで編み出したのが、一つの検体を3回連続で啜る、という方法。ズズッ、ペッ、ズズッ、ペッ、ズズッ、ペッ、とリズムよく少な目にすすると、上手くフレーバーが取れる瞬間がある。ただし、この方法は各検体一回限りの秘策と考えた方が良い。過ぎたるは及ばずが如し、というやつで、何度もカッピングすると舌が麻痺してきて、むしろ混乱する。実技試験は結構長丁場である。

合格最低点: 実技80点、学科80点

以上、長々と書いてしまったことご容赦願いたい。僕の場合は幸いにして、ギリギリとはいえ一発合格できたが、2級受験のとき事前講座を担当してくれた自家焙煎珈琲豆の店を経営するT講師は、「自分は3回落ちた」と言っておられたので油断はできない。


なお、不合格の場合は約4か月後に再試験を無料で受験できるとのこと。

ここまで読んで頂いた方の合格を心からお祈りいたします!

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