香豆火珈琲 (Kaz - Feel - Coffee) - 引越し済


KAZUHICOFFEEは 2021/11/11に開業いたしました。 屋号はそのままKAZUHICOFFEEです。

新HP: https://kazuhicoffeelab.com/
旧HP: http://www.kazuhicoffee.com/
Base: https://kazuhicoffee.thebase.in/

今はまだ珈琲豆のネット販売と時折行う焙煎教室だけですが、これから珈琲の家庭焙煎や小型焙煎機のコンサルティング業という分野を開拓したいと考えております。まずは発明工房さんの「煎り上手」や安価な小型ドラム型焙煎機などにちょっとした装置をつけて、焙煎プロファイルがリアルタイムに見えるようにすることで、短期間で焙煎の技術を学んだり、既に焙煎を開始されている方の技術が上達するようなプログラムを用意したいと考えております。これからまだまだやること山積ですが、まずは出発致しましたことお知らせ致します。 珈琲が仄かに好きという皆様が、もっともっと本物の珈琲のことを知って楽しんで頂けるようにすることが次の自分のミッションだと考えております。家庭用サイズの小型焙煎機を海外から輸入して販売する等も計画しております。皆さまが美味しい珈琲をいつでも気軽に楽しめるようにすることを全身全霊でサポートしたい!!

2020年05月

Cormorant CR600 Coffee Roaster

手廻しロースターでの焙煎は何回やっても飽きないし、いつもちょっとした緊張感をもちつつ楽しくやっているが、如何せん焙煎中は全く手が離せないので頑張っても一日に3,4バッチほどしかできない。ということでいずれはもう少し本格的な小型焙煎機が欲しいと思っていたが、先日ネット上で見つけて一目ぼれしたのがCormorant社のCR600という英国製のロースター。

ComorantCR600


日本国内ではほとんど使っている人がいないようだが、ウェブサイトにあるスペックや動画を見る限り自分の求める理想形、しかも見た目が無茶苦茶カッコいい。もうこれは購入するしかない、と思い、この会社にメールを出して見積もりを取って注文することに。

予想より安く、輸出保険を含めても1735ポンド(約23万円)、これに加えて輸送代がかかるが全部足しても30万円は切りそう。やった! でもバックオーダーがかなりあるのか、そもそも生産量が少ないのか納期が10月だとか。う~む。待ち遠しいなぁ。

実はもう一つ迷っていたのが、Bullet R2というモデル。こちらも元々は英国製らしいが今は台湾のAillioという会社が作っており、FacebookのUser Groupがあるというので参加してみたら、皆さん、超マニアックでレベルの高い会話がされておりちょっとビックリ。

Artisanというソフトで細かく制御できるらしいので、とりあえず Artisanのマニュアル(英語)をダウンロード。まず読んでみようっと。ちなみにこちらは電気式IH加熱で、CR600は伝統的なガス加熱方式。やっぱし個人的にはガス式が欲しいのでCR600で正解。でもいずれ Bulletも買ってしまいそう。。
Aillio(BULLET R1)

ついでに、こんなものも。
僕が「煎り上手」を愛用していることは以前書いたが、なんとそれにそっくりで、セラミック塗装と蓋をつけて、さらに持ち手に革を巻いたものが売っている。しかも値段は大差ない。う~む、これも欲しい! 「煎り上手」は既に2台購入しているが、確かに蓋付きは便利かも。

<NUVO CC ECOハンディロースター>
煎り上手もどき

<オリジナル、発明工房の煎り上手>
煎り上手

横に振るだけで珈琲豆がローリングする凸形状の底は共通だし、どうみても煎り上手を元に作っているように見えるが、あまり高くないのはなぜだろう。そもそも発明工房の藤村さんは許可しているのだろうか。謎だ~

巻きなおしマジック

少し値の張る生豆は特に素材の持ち味を十分に引き出したいので浅めに煎ることが多いが、時々行き過ぎてしまい、酸味が強過ぎたり、エグ味が出てしまい折角の高級豆が飲みにくい珈琲になってしまうときがある。昔なら、もったいないので我慢してそのまま飲んでいたが、近ごろは再焙煎することで修正するようにしている。僕はこれを勝手に「まき直し」と呼んでいるが、これが意外とうまくいく。

例えば先日焙煎したマラウィ・チンミスクは、豆の種類がSアガロ、ニカといったちょっと珍しいものであったこともあり、つい気合が入り過ぎて完全に浅過ぎだった。そのままでは口が曲がるほどに酸っぱい珈琲であったが、5分ほどまき直し焙煎をすると、あら不思議、ちゃんと美味しい珈琲に変身。リカバリー成功!

昨日は、200gだけ残っていたケニア・トップ・カルティという高級豆をGene Cafeで焙煎したところ、そもそも密度が高いこの豆と Gene Cafeのような電気式ロースターの相性が悪いのか、かなり酸っぱくてちょっと飲めない味になってしまったため、本日、手廻しロースターでまき直し焙煎に挑戦。ちゃんと温度を計って4分25秒で200度に達したので、とりあえずそこでストップ。見かけはずっと綺麗に膨らんでおり悪くなかったが、再度、試飲してみたら、やはり酸っぱい。うーむ。 

<まき直し一回目のケニア>
ケニアまき直し1回目

温度というよりは、時間が4分台ではまだカフェー酸が分解されないのかと考え、まき直し2回目は5分20秒、210度まで廻してから冷却。さらにいい感じの色になった。金属メッシュ・フィルタで小さく入れて飲んでみると、強過ぎた酸味の主張は完全に引っ込んで、甘さが全面に出てきていたので一安心。明日、じっくりペーパードリップで飲んでみようと思う。 恐らくリカバリー成功なはず。

<まき直し2回目>
ケニアまき直し2回目

<後日談>
巻きなおしは、やはり無理があるようで、何度も試飲して気付いたことには、確かに尖った酸味は消えるし、豆面もぐっと綺麗になるが、豆自体の特徴もほとんど消えて、どの豆も凡庸な味になってしまう、ということである。一ハゼを超えて豆の成分に大きな化学変化を起こしものが一度冷えると、再加熱しても同じ状態にはもっていけない、ということだと理解した。その点、ダブル焙煎は1ハゼより十分に手前で止めるため、含水量は減らしても化学変化はまだほとんど起きていないから成り立つのであろう。とはいえ、ダブル焙煎もまた豆の特徴をかなり減じてしまう手法である。

KINTO コーヒーカラフェ

前から欲しかったKINTOのコーヒーカラフェがAmazonから届いた。送料・税込み2750円。今までKINTOカラフェを買わなかった理由は既に持っている金属メッシュのフィルターがセットになっていたからだが、いつの間にかペーパーフィルタ用セットがぐっとお買い得な価格で出ているのを見つけて、即ポチっとした。

KINTO (キントー) SCS コーヒーカラフェセット 2cups プラスチック 27643

KINTO_SCS_カラフェ

透明感あるガラスとセクシーなフォルムで珈琲の色が綺麗に見えるので自然と珈琲を淹れるモチベーションが上げる。有名なケメックスに少し似ているけれど、ずっとリーズナブルな価格。それにケメックスは洗うのに器具が必要そうなほど真ん中が絞ってあるけれど、こちらはちゃんと手が入るので普通に洗える点もよい。ちなみに、カラフェ(Carafe)とはフランス語で水やワインを入れる水差しのことだ。

早速、エルサルバドル・ベジャビスタ農園の中煎りをペーパードリップしてみた。美味い! この珈琲は実に美味い。
KINTOサーバ

使ってみて気が付いたことは、付属のドリッパーに、コーノ式円錐ペーパーを普通に折ってもジャストフィットする、ということだ。 前からこの円錐ペーパーと本家コーノ式ドリッパーのフィット感のなさが疑問だったのだが、こちらは湯通しするとペーパーがドリッパーに隙間なくピタッと張り付き、実に気持ち良い。 二つを比べるとこんな感じである。 

まず折り方。KONO式ではワザと内側で折ったり、少し斜めに折らなければフィットしないが、今回は写真のように素直にまっすぐ折る。ずっと簡単だ。
コーノ式ペーパーの折り方

さて、これをドリッパーにセットして湯通しをすると、それぞれこんな感じになる。
ペーパーの湯通し比較

左がKONO式、右がKINTOである。KONO式だけアップにするとよく分かると思うが、ペーパーがよれたり、隙間が大きく開いてしまったり、とにかくフィットしてくれない。なんでだ! 不思議だ。
KONOドリッパー湯通し






ワイルド珈琲セレクト豆6種のサンプル焙煎

じゃーん \(^^)/
ワイルド珈琲にて、ちょっと高級目&珍しめの栽培品種の珈琲を6種類、1Kgずつ注文してみたぞ。
色んな味の珈琲をお手ごろな価格で沢山試せるのは焙煎をやっている人の特権だ!
ワイルド珈琲注文6種

マラウィ/チシ・ミスク(生豆))         2,090円
ケニア/AAトップ・カシマ(生豆)         2,540円
エルサルバドル/SHGベジャビスタ農園 (生豆)      2,150円
ニカラグア/ジャバニカ・ナチュラル(生豆)       2,530円
ペルー /マイクロロット・フアン・マイチャイ・サントス(生豆)2,070円
エチオピア/モカハラー・ボールド・グレイン(生豆)     1,560円

で、最初にケニアを焙いてみたら期待通りで、上質なケニア特有のシトラス系爽やかフレーバーがとても美味しい。次にモカハラーを焙いてみたらこれも期待どおりの甘みがあって美味しい!
う~む、これは! と思い、夕食後に「煎り上手」を使って6種類全部を一気に連続焙煎してみた。
どの珈琲豆も欠点豆はほとんど見当たらず非常に綺麗で満足感が高い。ニカラグアはジャバニカ種という栽培種で、生豆のときから既に特徴的な香りが強く漂っており実に期待が高まる。

全て中浅煎りで仕上げたので珈琲豆の特徴が際立つはず。
明日の味覚テストだが楽しみだ!
マラウィ・チンミスク
モカハラー・ボールドグレイン
ケニアAAトップカシマ
ペルー・フアン・サントス
エルサルバドル・ベジャビスタ
ニカラグア・ジャバニカ


余談になるが、このエルサルバドルの豆はベジャビスタ農園となっているが、ベジャビスタ農園で検索すると、いろんな国のものがヒットするが、一体この農園は何者なんだろう。

例えば、ミカフェートさんのはコロンビアのベジャビスタ農園、Cafe03さんはボリビアのベジャビスタ、田代珈琲さんはコスタリカのベジャビスタ、そしてワイルド珈琲のがエルサルバドル
さて、共通点は?

DIME7月号の付録

昨日セブンイレブンに立ち寄って、たまたま目についたDIME 7月号の付録にはたまげた。税込み990円なのに、0.01g精度で500gまで計測できるスケールが付いている。正直、雑誌がおまけで付録がメインだと思うぞ。食玩みたいだ。

DIME7月号

ただ以前にもDIMEにはスプーン型スケール(精度0.1g)が付録していたことがあり、大喜びで購入して会社で珈琲を淹れるときの豆の計量に愛用していたが、形状が形状だけに如何せん表示が不安定で、かつ電池の消耗が激しくちょっと期待外れであった。 今回は精度が10倍、形状もなかなか期待できる、ということで即購入。 早速、普段使っているBrewistaと計測合戦をやってみた。

DIME-Brewista2

まずは、珈琲豆6gでの勝負。Brewistaでちょうど6gになるように豆を選んで載せて、これを DIMEで測るというもの。結果は以下の通りで、Brewistaが6.0gと表示したのに対し、DIMEは6.01g 。
うむ、なかなか!
Brewista-DIME-6g


次は、逆にDIMEでちょうど 16.00gと表示されるように頑張って珈琲豆を選んで載せたものを、Brewistaで測りなおすというテスト。こちらは 16.00g が ちゃんと 16.0g と表示されたのでキャリブレーションも問題なさそうでまずは安心。 
DIME-Brewista-16g


それにしてもこれだけの性能のものが990円で手に入るとは驚き。BrewistaのスケールはUSB充電で便利だし大きさも実用的であるが、精度1/10で値段は15180円もする。このDIME、売り切れないうちにもう一冊買っとこうかな。(^^;
DIMEスケール

蓋がついているので勝手に電源が入ってしまうことがない点もマル。

後日談:
あちゃ~、本日いきなり壊れてしまったよ! (;_;)
ライトは点くし表示もゼロとまでは出るが、そこから押しても引いてもずっとゼロのまま。一応分解して確認したけれど、圧力センサーと基板間の配線切れなども見当たらず完全にお手上げ。雑誌の付録なので2日で壊れた、という文句を言う相手もいないしなぁ。

さらに後日談:
DIMEに書かれていた宛先(パステムセゾン)にダメもとでメールを送ったら、以下の返事が返ってきて、なんと交換品がすぐに送られてきました。990円の雑誌の付録でもここまでして頂けるとは素晴らしい!

商品付録に関しましてご迷惑をお掛けし大変申し訳ございません。

不良品につきまして、検品を行いました良品と交換させて頂きたく存じます。

お名前、住所、お電話番号をお知らせ頂き、郵便にて発送させて頂きます。

ポジティブ・ピッキングの驚くべき効果

前から一度やってみようと思っていたポジティブ・ピッキングをやってみた。通常は全体から欠点豆を取り除くが、その逆、つまり焙煎した豆を一旦すべてBadとみなして、そこから姿かたちが綺麗なものだけを選別するという方法である。テストに使った豆はガテマラ・ステイゴールドで、この豆はそれほど値が張らないのにいつも美味しく、そのコスパの高さに5Kgずつリピート購入して今までに25kg近く焼いてきた。
ガテマラ・ステイゴールド


焙煎前/後には当然ながらいつもどおりに念入りなハンド・ソーティングがしてあり、大きな欠点豆は含まれていないはずである。ここからそのまま取り出した12g、ポジティブピッキングで取り出した12gの2つを用意して、コーノ式ペーパーフィルタで全く同じように抽出した。 お湯は90度、蒸らしが40ccで45秒、次に60ccを注いで1分30秒待ち、最後に70ccを足して2分30秒でドリッパーを外した。

ポジティブ・ピッキング比較

さて、見た目もさほど違いもないし、味の差はちょっと分からないだろうな、と思いつつ両方を珈琲液にしてカッピングしてみると、なんと全然クォリティが違うのでびっくり!

ポジティブ・ピック・カッピング

通常のソーティングの珈琲も悪くはないのだが、よく味わうと少し雑味を感じる。さらに時間をおいて冷めてくると雑味が少し増す感じ。 一方、ポジティブ・ピッキングの方は全く雑味が感じられず、ひたすら美味しい。あまりの美味しさに途中からカッピングを止めて普通に飲み干してしまった。(^^;

どうやら普通にソーティングしただけでは、やはり良豆と欠点豆の間にグレーゾーン豆が残っており、これが雑味を出すらしい。つまり同じ珈琲生豆で開始したとしても、焙煎後に良豆だけを選って珈琲を淹れることで極上の一杯が作れる、ということか。 商業的にはちょっと成り立たないと思うが、個人で楽しむなら、たまにはここまで手をかけてみるのも面白い。

パーチメント・コーヒー

珈琲生豆は今やそこら中で買えるが、やはり実店舗よりもオンライン購入の方が便利である。で、オンラインのセレクションを見ていると、時々パーチメント・コーヒーというのがあり、単価は多少安いけれど実際のところ生豆を取り出すとどれくらい目減りするのか前から疑問に思っていた。少し前にKOPE花伝カフェのママさんに頂いたハワイカウのパーチメント・コーヒーがあったことを思い出し、本日どうなるか実験してみた。
ハワイカウ・パーチメント珈琲

パーチメント・コーヒーはこんな状態です。
Parchmentハワイカウ2

パーチメントでもピーベリーは形で分かってしまうのがちょっと可愛い!
Parchmentピーベリ


このパーチメント、パリパリと柔らかくて指でも簡単に外せるが、数が多いので今回はブレード型電動ミルを使ってバリバリと砕いてみた。ミルはチョン・チョンと一回に1~2秒くらい回すのがコツ。
パーチメントをブレードミルで処理

処理途中は結構大変なことになります。(^^;
Parchment処理途中

網を揺すると軽いパーチメントは浮いてくるので手で取り除くこと10数回、最後は団扇であおいで完成。こんなものが外れます。
Parchmentハスク

途中ちょっとブレードを回し過ぎて、生豆本体まで砕いてしまった。
折角なので砕けた豆を「煎り上手」で焙煎してみたら、意外にもちゃんと一ハゼの音も出るし、それなりに焙煎できて、ついでに珈琲にしてみたら少々雑味はあるけど、まぁ飲める味。うむ~。
パーチメント処理割れ豆

結局、パーチメントを外すことで重量はちょうど20%減り、さらに欠点豆を取り除くと元の116gが81gと30%の目減りであった。欠点豆が多い豆でなければ、パーチメントコーヒーを焙煎可能な生豆に処理すると2割強減る、というのが結論。ただしこんな少量でも処理は相当に面倒だったので、専用機械でも持っていない限りやはりパーチメント・コーヒーは選ぶべきでない、かな。
パーチメント重量変化


青空焙煎

今日は気持ちのよい天気で朝から機嫌よく色々作業などしていたが、夕方近くになってふと思いついて久し振りに青空焙煎を試みた。焙煎道具自体はいつもの手回しロースターだが、我が家の庭は夕方には少々海風が吹くため、風の穏やかな日でもカセットコンロに載せただけでは熱量不足となるため、自作(?)の箱型の覆いの中で焙煎するのだ。
青空焙煎

上から見るとこんな感じ。
青空焙煎キット

今回は先日10kgも購入してしまったブラジル・イルマスペレイラを使用。
50度のお湯でよく研ぐことで汚れやシルバースキンや完全に落とすアームズメソッドを施し、一種の大吟醸珈琲ということで。
アームズ・ブラジル・イルマ準備

青空焙煎なのでモクモクと煙が出ても問題なし。ということでフルシティまでしっかり焙煎。(^o^)
青空焙煎ブラジル・フルシティ

箱の中とはいえどうしても風が回り込み、いつものキッチン焙煎のようにはいかず、キッチンでは15度/分かそれ以上で温度上昇させるが、外ではせいぜい10度/分かそれ以下。しかし最終的にはちゃんと2ハゼ温度まで到達し、しっかりバチバチとハゼた。よかった~ \(^_^)/

ということで同じフルシティローストでも時間をかけた分味わいは変わるはず。
明日飲んでみるのが楽しみだ! ネルで飛び切りの一杯をいれてみよっと。
焙煎グラフ(青空焙煎ーブラジル)


欠点豆の発見能力

ほぼ全ての珈琲生豆には欠点豆が多かれ少なかれ含まれているのは仕方ないとして、色々ある欠点豆の中でも自分で少量焙煎する以上、毒素を出すというカビ豆だけはいつも完全除去したいと考えている。ところがこれがなかなか厄介なのである。

今日はちゃんとソーティングすれば大変美味しいが、このカビ豆が10%前後も含まれている例のハワイカウをソーティングする際に、グレイゾーンとして除いた豆からサンプルを10個ほど選び、これをニッパーで割って実際に確認してみた。

サンプル豆を表、裏から見た様子は以下の通り。表から見るとほとんどわからないが、裏から見ると所謂ベリーボーラーの穴らしきものが見えるものが多い。表から見て穴が開いていなくても、なんとなく内部が黒っぽく見えるケースも多く、サンプルには穴は開いていないが黒っぽいものが透けている豆も含めてみた。(Sample No.8)

ハワイカウ・グレイゾーン表
ハワイカウ・グレイゾーン裏

さて、ここから先はちょっとエグイ写真もあるので、要注意だ。
まずは10個のサンプルの怪しい部分のアップを見て頂きたい。
SampleGreyBeans

No.5とかは割ってみるまでもなくカビ豆であるが、他は穴は開いていても一見カビはなさそうにみえる。さて、これを割って確認した結果は下記の通り。6割は実際にカビていた。
ハワイカウ・グレイゾーン正解

カビている部分をアップにするとこんな感じである。(エグイ写真ですみません)
KauBadBeans


取り除きたくなりますね。
しかしこれらを取り除くのは至難の業なわけです。

一方、下記のような明らかなものは、割ってみるまでもなく取り除けます。
なんとなれば、豆をくるくる回すと割らなくてもどこかに青いカビが見えるからである。
ハワイカウ欠点豆

さて、欠点豆をしっかり除去した後は、いつものように手回し焙煎器で丁寧に焙煎することで円やかで甘いハワイカウが完成する。今回は350g、300gで2バッチの焙煎をしたが、最初の焙煎はいつもよりやや浅い煎りで爽やかな酸味が際立った。
ハワイカウ焙煎85%

ディスカバリー焙煎機のダンパーテスト(失敗)

こどもの日の今日、緊急事態宣言ですっかり空いている環状2号線を快適にドライブして、またまた国立市のK氏の珈琲工房へ。本日は、ディスカバリー焙煎機のダンパーがどのように焙煎豆に影響するのかを確認することがメインで、あとは余興でエアロプレス抽出やネル抽出などを楽しむ、という会であった。もちろんマスクとソーシャルディスタンスに関してはバッチリで3密ではない。

テスト用の豆は先日スズシン商会から分けてもらったUSフーズのブラジル・ナチュラル豆、カラメリッチ。これはスクリーンサイズが18もあり、ブラジルとしてはかなり大柄な豆である。

ディスカバリー焙煎機のダンパーはメモリが1から5まであるが、いつもはなんとなく真ん中の3に固定しているものを、敢えて1(全閉)、5(全開)という両極端にセットして、なるべく同じ温上曲線で、同じ焙煎度にした場合、どちらの豆がより良い風味が立つか確認することが目的であった。
Discovery焙煎機(ダンパーテスト)

しかしながら、今回は150gという小さめのバッチサイズにしたことと連続焙煎であったため、2回目の焙煎の方は一気に豆に熱が入って、前半は1回目より同じ経過時間で30度くらい高い温度になってしまったので、慌ててガス圧を1から0.8まで下げたけど勢いは止まらず、6分半ほどで1ハゼ温度に到達してしまい、2ハゼ開始直後という同じタイミングで止めたにも拘らず深めの焙煎になってしまった。
ブラジル・カラメリッチbyDiscovery
ダンパー位置による変化確認

珈琲液にしてみると、1回めの方は大変美味しいものであったが、2回目のはやはり早過ぎたようで見た目は十分な色でも少し芯が残っているような味であった。 ただ、ダンパーは完全に閉めた状態でも美味しく焙煎出来る、ということだけは確認できた。

同じ焙煎機を使っている飯田橋の青梅珈琲はダンパーは全開で焼くと言っていたので、まぁどの位置でも焙煎可能ということになるが、さて結局、味にどう影響を与えるのか?

結論として今回のテストは失敗であった。できれば近々リベンジしたい。 

エアロプレスは楽しい!
片山工房実験風景(エアロプレス)
コフィアのネルフィルター

持参したタンザニア・アデラAAのフルシティーロースト豆を、24g / 100cc でデミタスサイズにネルドリップ。まさに本格的ネルドリップの味。これならネル珈琲専門店で提供してもOKじゃないかな。

モカシダモに多く含まれる緑豆の調査(後半)

昨日分離焙煎したモカシダモ2種類を、豆本来の味がストレートに出やすい浸漬方式+金属メッシュの抽出道具を使って比較してみた。この器具は、1ZPresso社の高性能ハンドミル Q2とセットになっていたもので、当初はちょっと「なんじゃらほい」という感じで放置していたが、実はこの金属メッシュのフィルターが愛用カップの直径などにもぴったりであることに気付き、今は大活躍している。
DoubleMeshFilter

朝一番に庭からレモンバームとペパーミントを摘んできて作るハーブティーの茶漉し、昼のちょい飲み珈琲やテスト、そして夕食後に嗜む煎茶の茶漉しといった感じ。ステンレスは洗うのも簡単だし、サイズ感がとてもいい。

さて、モカのテストだが、豆 8.2gに対して、90度のお湯 100cc注いで2分半で抽出することにした。
モカシダモ・緑豆・通常豆

モカシダモ・カップテスト粉

モカシダモ・カップ緑豆・通常豆
モカシダモ・カップテスト比較

緑豆だけを集めたカップは、強いモカフレーバーがありこれはこれで悪くはないのだが、雑味が多くて甘さはあまり感じられず、まあそれなりの味。

一方で通常色豆だけ残したカップは、シダモ特有の甘さがより鮮明で、雑味はほぼ消えて穏やかなモカフレーバーを感じるもので、いつも飲んでいる緑豆が混ざったものより洗練された味であった。

ということで、やはり緑豆は極力取り除く方がよいかな、という結論。



モカシダモに多く含まれる緑豆の調査(前半)

エチオピア珈琲豆、所謂モカ豆には小さい物、丸い物、細長い物と大きさも形も色も不揃いなので大変見分けやすいが、その分、欠点豆を取り除くのが大変だ。欠点豆の比率が高いだけでなく微妙なものも多く、神経質にやると恐らく1バッチ300g分のハンドソーティングに1時間くらいかかって、3割くらい減ってしまうと思われる。そしてそのように神経質にやるより、怪しい豆もある程度大目にみてやって素早くおおらかなソーティングした方が味が良かったりするのがこの豆の面白いところである。

さて、そんな中で毎回取り除くべきか大いに迷ってしまうのが、一見未熟豆にも見える緑掛かった薄皮をまとった豆である。先日、スズシンさんにお裾分けして頂いたシダモG4がまだ少し残っていたので、これを使って緑豆と通常色の豆の分離を試みた。分離後、左が緑豆、右が通常豆である。

モカシダモ(緑豆)

アップするとこんな感じで随分と色合いが異なることが分かる。
モカシダモ(緑豆)アップ

緑豆は合計40g程度しか集められなかったので発明工房の「煎り上手」で手焼き、通常色豆の方はGeneCafeを使って焙煎した結果が下記の写真。緑豆の方を少し深めに焼いてしまったが、元々色のばらつきが大きく焙煎後に色の薄い死豆などパラパラ姿を現すが、その比率はざっと見る限りあまり差はなさそうである。
モカシダモ焙煎後(緑豆)

モカシダモ焙煎後(通常豆)

いつもはこれらがMixされたモカシダモを飲んでいるので、Mix(つまり通常)の味は、もちろんしっかり記憶している。特徴的なモカフレーバーが盛大でとても甘い珈琲だ。エアロプレスで淹れると「絶対シュガーを入れただろう?」と言われそうなくらいに甘みを感じる。

この甘味やモカフレーバーに関して、緑豆、通常色豆のどちらが主に貢献しているのか、分離した珈琲をそれぞれ味わうことで確かめたいと思う。 ということで明日のカップテストに続く…

パプアニューギニアの珈琲豆の焙煎

約80年前にジャマイカのブルーマウンテン珈琲(ティピカ種)を移植して開始したというパプアニューギニアの珈琲豆は、確かにバランスが取れていて美味しい。ただ焙煎するのは意外と大変で、手廻しロースターではそう簡単には皺が伸びてくれず、少し深めにじっくり焙煎する必要がある。とはいえ深煎り一辺倒にする必要もなくちゃんと心地よい酸味や爽やかな香りも残るので、バッハ田口護氏のシステム珈琲学で分類するならCとDの中間タイプ(中深煎りが妥当)ではないかという気がする。

この豆が美味しいという大学の友人H氏のリクエストもあり、本日はパプアニューギニア(キガバ農園)の豆を2バッチ、同じように焼いてみた。最初の4分は弱火、そこから一気に熱を入れていきカフェー酸を生じやすい加水分解領域は一気に通り過ぎて、200度からは火を落として調整に入り、1ハゼ開始後は温度を約210度に保って2ハゼを起こさないで引っ張る、というやり方である。

実際は1ハゼまでは同じような温上曲線をキープしたが、2回目の焙煎時の後半、ダンパーよろしく窓を少し開けて弱火にしていたら、換気が効き過ぎたのか温度が下がってきたので、慌てて中火にしたら今度は温度が上がり過ぎて、また弱火、といったことをやってしまった結果、トータル時間も1ハゼ開始からの時間も短いのに、焙煎度合いは少し深くなるということに。しかしこの2回目の方が若干、大きく膨らんで皺も伸びたのは結果オーライということか。グラフにするとこんな感じ。

下部の写真をよく見ると、0.5%の差が微かに豆の色にも表れているが、読み取れるであろうか。
同じ容器に入れて比べると、生豆時の量は同じ300gでも微かに2回目の方が盛り上がっていた。
今日は他の実験でも色々珈琲を飲んでいるので、カッピングは今回は明日行おうと思う。

パプア焙煎比較(再現性グラフ)



焙煎度合いの色での判断

珈琲関連の資料を整理していたら、昨年のSCAJで Roast Riteさんのブースで頂いた Roast Color Cardが出てきたので、実際の豆で焙煎度合いが測れるか試してみましたが、正直難しい。光の加減、豆表面の光沢や反射でかなりぶれます。そもそも豆の表面はこのカラーカードのようにつるっとしているわけでなく、むしろ豆同士の方が色の違いは分かりやすいかなぁ。
ちなみにこのカード、$19.5で売っているのね。てっきり販促品かと思ってしまった。:-O

http://store.acronova.com/roast-color-matrix-card-rc-790.html
RoastColorMatrixCard

先日焙煎したハワイカウの豆(自分としてはミディアム・ロースト)を使って比較したらこんな感じ。
色見本とハワイカウ豆

色見本とハワイカウ粉

珈琲豆を挽く前後で同じアグトロン・スケール値に見えるでしょうか。

同じくハワイカウの豆を別の日にシティローストに焼いたものも並べるとこんな感じです。
この2つの豆の焙煎時の重量減はそれぞれ85.3%(ダブル焙煎)、84.0%で、その違いは 1.3%だけです。
同じ豆でも当然かなりフレーバーは異なります。

色見本とハワイカウ豆2種

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